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これでも法治国家か?
これでも法治国家か?

 遂に憲法9条に対して名古屋高等裁判所から判決がでた。イラクへの自衛隊派遣は憲法違反であると。これまで司法権は極力この問題に触れないように避けてきたが、やっと司法の手で自衛隊の海外派遣と憲法を結びつける判断が下された。

 日本では司法は行政の僕のような姿勢をとってきたが、ようやく勇気ある裁判官がでた。

 ところが、政府は、この判決に拘束されないとか、イラクの航空自衛隊の活動は関係ないと、臆面もなく言ってのけた。

 憲法は国家権力の行き過ぎを戒めるための歯止め役として存在意義があるということは、歴史的にも国際的に認められていることであろう。それにもかかわらず、この日本政府の姿勢は三権分立を無視し、行政独裁を宣言したようなものである。

 これまで日本政府は、憲法9条を政府の都合の良いように拡大解釈して、憲法違反的行政を長年行ってきたから、護憲や三権分立に基づく民主主義の精神は完全に麻痺しているのであろう。国民も、そのような政治風土に慣れさせられてきたから、「またか」程度にしか政府の態度を受け止めないのだろうか。この裁判の原告側や、それを支持する人たちは、判決の意義に満足して喜んだが、それ以上政府を追及することをしない。もっともけしからんのは、ジャーナリズムが政府の答弁を取り上げて追求しないことである。

 国を挙げてこの問題をもっと真剣に議論し、護憲と三権分立の民主主義を確立するように努力すべきだが、マスコミは世論を喚起しようとしない。社会学者、法律家、政治家、ジャーナリズムなど皆あきらめているのだろうか。

 これでは日本は法治国家とは言えない。国民の違法行為は厳しく取り締まるが、政府の違法行為に対しては甘く見逃されてきた。憲法違反、権力者の違法こそ最大の罪であり、厳しく追及されるべきであるのに。
 これからでも遅くない。何とかしなければならない。

 
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