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総選挙に当たって思うこと
総選挙に当たって思うこと

いよいよ国会が解散されて衆議院総選挙がおこなわれる。最近の国会は政局を巡る駆け引きが中心で、特に衆議 院の解散を野田政権に迫る自民・公明の声ばかり目立っていた。 なにも進まない国会のこのような閉塞感には国民は飽き飽きしていた。この混迷した事態を脱出するには解散しかないだろう。

 それにしても、今度の選挙ではどの党に投票したらよいか、ほとんどの有権者は迷うであろう。大小の諸政党の数はあまりにも多く憶えられないほどあり、政策は何処が違うのか判断しかねるほどである。政局の混迷はまさに極まったというべきか。政治不信による無党派層が増え続け、棄権の増大が心配である。それにしても、このような自体を招いた原因は有権者にあることを反省すべきだろう。

 今の日本には首相に相応しい見識とリーダーシップを有する政治家は見あたらないし、政治をゆだねたい政党もない。世論調査の結果にもそれがでている。こうなったのも、先にブログに「議会制民主主義の危機」と題して書いたように、あまりにも長く続いた自民党の55年体制のためであると思う。
 長年権力の座に安住した自民党の議員は、国家予算を自分の選挙区に取り込むパイプ役となって地盤を築くことが政治活動と錯覚するようになった。それゆえ、政策研究もせず、まともな政治活動を学ぼうとしなかったので、世襲の議員が増え有力な政治家が育たなかった。他方、野党は、万年野党のために実学政治を学ぶ機会がなく、掲げる政策は理想化されたスローガンが目立った。そんな状況のもとで、前回の選挙で、国民はついに腐敗・堕落した自民(公明)権力を見放して、民主党に希望を託したが期待はずれであった。その主たる理由は、理念が先行して実際の政治を無視した政策を掲げ、そのまま実行しようとしたためであろう。いざ政権を取ってみるとハードルは高く、想定したようには進まず失政を繰り返した。その間に、前政権が残した大赤字財政など負の遺産、東日本大震災と原発事故、沖縄基地移転問題、EU経済危機、中韓との領土主権争いなど、内外とも想定外の難問に次々に立ち向かわざるを得なかった。それらは未熟な民主党政権には荷が重すぎた。選挙公約のマニフェストの中味の多くは実行されず、公約にない消費税の増税を通した。

 民主党政権に懸けた国民の期待ははずれたが、この政権交代は日本における議会制民主主義に対する高い授業料を払ったと考えるべきだろう。その代償の授業料は高すぎたかも知れないが、どうしても一度通らねばならない道であったと思う。ここで振り子が振れるように「また元の古い政治にもどしてはならない」という野田首相の言には耳を傾けるべきところがあると思う。 

 また、石原・橋本氏の率いる「日本維新の会」や安部自民党首の進出による右傾化の危険性も気になる。石原氏は都知事時代にやり残したものがある。都立銀行の後始末、オリンピック誘致、尖閣諸島問題に火を付けた混乱など、事を起こすときは景気よく大言壮語するが、あとの始末をしない無責任さに有権者は思いを致すべきだ。政策よりも大同団結が第一という「号令」にも似た呼びかけにもそのことが見える。明治維新のときとは日本は鎖国であり、社会の仕組みは比較的単純であった。だが、現代は、科学・技術の進歩により国家・社会の組織は格段に複雑である。また、国際社会はグローバル化が進み、外交ばかりでなく環境・エネルギー問題・経済問題などが世界規模で強く絡みあっているので、政治の難しさは昔と格段の差がある。それゆえ、「平成の維新」を遂行するには「明治維新」とは質的に異なる多くの難問を解決せねばならない。経験・知識不足の政治家が一朝一夕にできるものではないだろう。いざ政権の座に付くと、言うことが変わってしまう事はこれまでしばしばあった。

 今度の選挙後には安定政権は望めないから、当分政治的混迷が続くだろう。それゆえ、世界と日本の将来を見据えて、長い目で日本を立て直す政策を持ちうる政党・政治家を選ぶようにしたい。次の次の選挙まで見定めて投票しようと思う。 

 政策の争点となる重要な課題は山積している:景気・経済の回復、国家の赤字財政の立て直し、東日本災害復旧、社会福祉、原発・エネルギー問題、環境問題(CO2削減)、TPP参画、基地問題、領有権問題、憲法改正、などなど。これらの諸問題は相互に関連しているから、一、二の問題を取りあげるだけでは済まないが、優先課題はあるはずだ。その方策と手順を理論的に示さずに、スローガン的に叫ぶだけでは信用できない。どれが本物かを判定するのは難しいが、自分なりに真摯に考えようと思っている。

 マスコミにも注文がある。日常の報道姿勢、つまりニュースの取りあげ方は現象的、興味本位である。もう一歩踏み込んで、問題提起も含めて読者と一緒に考えるような主張が欲しい。特に、選挙の次期には、政党の離合集散やスタンドプレーのような言動など興味本位の動きを派手に取りあげて、有権者の目を政治の本質からそらすような報道姿勢は止めて欲しい。もう一つ、世論調査の仕方も工夫して、その理由・根拠を考えて答えるような質問形式にして欲しい。表面的な現象を見る世論の数字に振り回されるのは、かえって危険に思うからである。 

追加: 
 政党の離合集散の激しさには驚き、呆れるばかりである。「日本維新」、「日本未来」が立ち上がり合併・吸収で政党数は少し減ったが、まだ10以上ある。第3勢力といわれる党の合併・吸収では政治理念と政策の違いを無視した野合と見られても仕方がない。「維新」の場合は、政策でかなり異なるのに無理に合併したので、政策が二転、三転している。これでは選挙後またどう変わるか分からず信用できない。「未来」の場合は「脱原発」で統一したようである。現代政治は複雑で多くの要因が絡んでいるから、原発だけでは済まないはずだ。「脱原発(依存)」「卒原発」にせよエネルギー資源の乏しい日本のエネルギーをどのように賄うのか、原発廃止のプロセスの具体的方策を示してない。また、「原発依存」の場合は、これまでの方針の欠陥を徹底的に検討して改善策を具体的に示さない。地震国日本の特殊性を考慮した過極事故対策、使用済核燃料の処理法、自然エネルギーを増やすのかなどについての対策が示されていない。

 他方では、野合と逆に、少数野党の中には、政策のどこが違うのか、その差はわずかで分かりにくいものがある。独立の党を守るほどの価値があるのか疑いたくなる。

 経済の景気回復についても、スローガン的なもので具体性に乏しい。自民党首の安部氏は財政の金融緩和を無制限に、しかも禁じ手を用いて強行することを日銀に要求するという。それにより円安・株高の反響があったと自慢しているが、短期的な現象のみで判断すると後で痛い目に遭う。最近の円安の原因は、日銀が金融緩和を最近行ったこと、日本の貿易赤字が始まったこと、さらに背後に超巨額の国家財政の累積赤字が改善される見込みがないことが効いているだろう。それを無視して、自分の発言のお陰だと自慢するような者が首相になったら、この先が思いやられる。彼は、一度失敗して引き下がったのに、また出てきてよくもこれだけ大言できると思う。
 
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