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再び「議会制(代議員制)民主主義の危機」について
再び「議会制(代議員制)民主主義の危機」について

先に「議会制(代議員制)民主主義の危機」について私見を述べたが(このブログ10月、「教育通信」170号)、今度の総選挙の結果を見て一層その感を強くしたので、再びこの問題を取りある心境になった。
 この選挙結果は、予想を遙かに超えたもので誰でも驚いているだろう。このような結果を招いた主な理由は、言うまでもなく小選挙区制と、民主党に対する期待はずれであろう。
 投票時点で、自民党の支持率は僅か20数%であり、比例区票はさらに少なく15%で獲得票数は前回よりも減少している。それでも自民党の議席数は過半数を遙かに超えた。まさに小選挙区制の欠陥とその恐ろしさがもろに表れた。民主党は公明党や維新の会と肩を並べるほどの惨敗である。前野田首相も政治判断を誤って議会解散の次期を選んだと痛恨の極みだろう。

 自民党が第一党になることは予想されていたが、これほどひどい結果となったのは有権者の判断力の欠如にもよる。選挙公示直後におけるマスコミの情勢判断で、自民党が過半数に迫ると報道された。私はこれは危険であると察知し、結果を危惧した。だが、それでも多くの有権者はそれを感知せず、そして小選挙制の弊害と恐ろしさを考慮せずに、消去法で仕方なく自民党に投票したようである。今度の選挙ほど死票が多く、民意が反映されない選挙はないであろう。一票の価値で格差が二倍以上なら違憲状態といわれるが、小選挙区制の弊害もそれに劣らず問題である。小選挙区制を早急に廃止して、せめて中選挙区制にすべきである。 棄権も入れると、有権者の僅か20%以下の支持で自民・公明党は2/3絶対過半数を得た。代議員制民主主義制度における小選挙区制の弊害、民意の反映されない議会での政治政策の決定は議会制民主主義のまさに危機である

世論調査では、原発ゼロ政策と憲法改訂反対の意見が過半数なのに、原発政策を明示せず(隠していた)、憲法改訂を公言していた自民党が圧勝した。今度の選挙ほど多党が乱立したことはなかった。だが、マスコミは大政党の動勢と第三勢力のことしか報道せず、既成小政党のことは無視した。そのために、多くの有権者は自民、民主、公明、維新くらいしか頭になく、消去法で結局自民党を選んでしまったという話を聞いた。それゆえ、この選挙結果はマスコミの報道姿勢に大きな責任がある。原発、環境、エネルギー、憲法問題などの点で、世論に近い政策を掲げている少政党があるが、ほとんど見向きもされない。自分の要望や意思に反して投票せざるを得なかった有権者は悲劇である。西欧では、エネルギー・環境問題で少政党が伸び、政治に影響力を持つようになっているのと対照的である。日本には民主主義がまだ定着してないのだろうか。

 それにしても、マスコミの姿勢は問題である。マスコミの影響力は非常に大きいから、その報道姿勢で選挙の状況は大きく変わるのである。現象的な上辺のことにばかり目が行き、本質的なところを捉えて報道する努力が足りない。世論調査の仕方でも、もう一歩掘り下げた意見を引き出す工夫が求められる。現象的な意識調査の結果が世論として報道され、それに政治が左右されるばかりでなく、その世論に引きずられて有権者も付和雷同する傾向がある。マスコミの責任は重大である。

 世論は経済政策では景気回復を望み、実行力の安定政権を待望しているようだ。それが自民党を押し上げた大きな理由かも知れない。しかし、財政赤字を顧みず、金融緩和、公共投資、2%インフレ政策を景気よく打ち上げた「安部ノミックス」は一つ間違えると大変危険である。グロ-バル化の進んだこの時代には、多くの要因が強く絡み合っていて、一国の金融政策や経済政策だけで、簡単に不況から脱出して経済状況がよくなるものではないだろう。また、無制限金融緩はその金は主に投機筋に回るが庶民には恩恵は少ない。むしろ、即効的政策はモルヒネ的副作用が心配である。景気が回復しても給料は上がらずインフレに悩まされて、小泉政権の時のように格差増大で、庶民は泣かされるような気がする。

今後、 原発政策は後戻りして既存原発の再稼動、建設途中の原発推進となるだろう。憲法改訂への動きもそのうち始まるだろう。 次期参議院選挙では、民意が反映するような政党・議員を多く国会に送るようにしなければならない。そして、僅かの支持率で獲得した2/3絶対多数の力で押し切るようなことは許してはならない。
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