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また長期自民党政権の復活か
また長期自民党政権の復活か
-健全な議会制民主主義は育たないのか-
 


今度の参議院選挙の結果は予想通り安倍自民党が圧勝した。投票する党がないという有権者の声は実に多かった。棄権が増えたのは、この猛暑のせいばかりでなく、一票を投ずる政党がないと嘆く人が多かったことの反映であろう。

 衆参両議員で絶対多数をえた安倍政権は、選挙前にはそっと隠していた政策、特に憲法改訂と原発復活政策を強引に押し進めるだろう。

 戦後日本の政治はづっと自民党50年体制が続いた。その結果、長期の一政党支配は議会制民主主義の形骸化をもたらし、驕りと腐敗による政治危機を招いた。長期一党政権の悪弊と民主主義の危険性に気付いた国民は、自民党に替わって民主党に政治を託した。しかし、民主党政権の失政に失望した。民主党は政権運営の経験不足の上に、自民党の残した政治・経済の構造的歪みと、東日本大震災が重なって、その対応が巧くできなかった。党内の対立と分裂もそれに拍車を掛けた。

 国民は長期一党支配の弊害を改めるべく、民主党を選んだことから、多くのことを学んだ。それまで隠されていた政治的腐敗・汚職、外交秘密など次々に明らかにされた。それゆえ、この前の政権交代は、高い授業料ではあったが大変勉強になったはずである。それなのに、わずか3年で自民党政権の復活を許し、しかも長期政権が続きそうな勢いである。 

政権交代によって私たちの学んだ重要なことの中に、政権を担いうる野党を育てることの大切さである。長期政権は必ず腐敗堕落することは、昔から洋の東西を問わず普遍的事実である。健全な議会制民主主義の条件は、国民が政権交代の選択権を行使できることにある。戦後の長期自民党政権を許したことは、その選択権を有権者は放棄してきたわけである。 

前の衆議院選挙も今度の参議院選挙でも、投票したい政党がないので、仕方なく自民党に投票した人が多かったようである。憲法改訂、脱原発を否定、消費税増税、TPP加盟など重要な政策では、自民党に反する世論が強いのに、経済優先でアベノミックスに引かれてみな投票したのだろう。目先のことに囚われて将来を見ずに、ムードに流されて体制順応的に行動したことになる。このことは将来に禍根を残すであろう。 

支持政党がなく棄権した人、仕方なく自民党に投票した人達は、将来のことをもっと考慮して政策重視の投票を、そして健全野党を育てるよう投票すべきであったと思う。野党の力を強くして政府の独走を許さず、また政権交代もできるようにすべきである。

自民党の石破幹事長は、「昔の自民党に戻っては自民党はお仕舞いだ、それは日本のお仕舞いでもある」といっている。この発言は「自民党にあらずば政党に非ず」ということで、これはすでに大変な驕りである。自民党は永久政権であることを言明しているからである。

いまの野党は頼りないとか、一長一短があるとかいって、最初から見向きもしないのでは健全野党は育たない。政策も含めて、自覚的に育てる努力をすべきである。そのためにはマスコミも報道姿勢を改めて欲しい。


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