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謀略解散
謀略解散

 11月21日に安倍首相が衆議院を解散して選挙が始まった。 解散理由は「消費増税先送り」と、「アベノミックス」継続について民意を問うのだと言う。

 安倍首相は解散理由説明で、「アベノミックス」によって景気が上向いてきたと盛んにその効果を宣伝し、この選挙を「アベノミックス選挙」と宣言した。この選挙方針は、安倍政権が過去2年間に行った数々の施策、特定秘密保護法、集団的自衛権発動、脱原発の見直し、沖縄辺野古への基地移転などには頬被りして、かって小泉首相が選挙の課題を「郵政民営化」一本に絞り大勝したことを真似ようとするものである。だが、アベノミックスは行き詰まり間もなく破綻するだろうと言われている。その前に選挙ををして切り抜けようという意図が見え見えである。。

そもそも、今度の衆議院選挙が必要なのかという疑問や批判は非常に多い。消費税10%増税の可否には賛否両論あって、その選択は難しい。増税すれば低所得者・中層企業からの反発、そして日本経済の腰折れは必至であろう。増税を見送れば3党合意による法律否定になるばかりでなく、日本の財政再建は不可能と見られて世界の信用を失いかねない。そうなると日本債券や株は暴落して、一挙に国家財政は破綻する。それゆえ、消費増税はしてもしなくても駄目、安倍内閣は崩壊し、自民党の支持率も急落する。「アベノミックス」が巧く行って経済立て直しが可能なら抜け道はあるかも知れないが、経済の実態は逆である。実際に一般国民には景気上昇の実感はく、貧富の格差は拡がるばかり。11月に発表された景気指標では実質経済成長はマイナス、これは各界に大きな衝撃であった。だから、消費増税はアキレス腱となって、安倍内閣は完全に行き詰まり立ち往生寸前であった。消費増税の法律には経済の実情によっては増税を延期できる付帯条件があるが、その延期条件を削除して1年半ごには増税を実行すると言わざるをえないほど、日本の国家財政は悪い。こう宣言しなければ世界の信用を失い、この選挙中にも日本の株や債権は売りたたかれる危険性を孕んでいる。この選挙は安倍首相にとっては綱渡りなのだと思う。
 このままで行けば、安倍内閣の支持率は急落するだろう。だから、消費増税の決定を先延ばしして、支持率が落ちないその間に選挙を行うと言うわけである

 
 今のうちに「アベノミックス」が効果を上げているかのように宣伝し、それ以外の問題は伏せて国民の目を眩ますのが今度の選挙の意味だと思う。それゆえ、この選挙は「安倍謀略選挙」である。

以前あれほど反対意見がでた「特定秘密保護法」と「集団的自衛権行使」の議論は下火になって、消費税や景気に目が向けられている。原発再稼働を含めて、国民世論の過半数が反対しているこれらの問題を選挙の中心課題にして、議論に火を付けるべきである。「アベノミックス」の第1の矢「異次元の金融緩和」は株価だけつり上げて格差を拡大した、第3の矢「財政出動」で実質経済を上向きにすることはほぼ失敗であることは、多くの経済専門家の意見である。むしろ日本を財政破滅に導く危険性があるとの批判もある。

 安倍内閣の方針・施策の中で重要な政治課題には過半数の世論が反対している。それにもかかわらず、自民党・安倍内閣の支持率が他党よりも高い。小選挙区制では、30%の支持率でも過半数を取り得る。今度の選挙でまた自民・公明党が過半数を取るならば、何をしているのかと言われるだろう。国民と政治の離反がこれほどまで酷いのは、小選挙区制のせいである。これでは議会制民主主義はまともに機能しない。前回の選挙で、小選挙区制の恐ろしさを私たちは体験した。その愚を繰り返さないよう心して投票すべきである。力は弱くとも正統な主張をする野党を増やし、バランスを取るようにしなければならない。 
 
 自民党安倍政権が勝利すれば、憲法を無視してどこまで暴走するか分からない。自分の意見は憲法解釈を歪め、世論を無視しても押し通し、消費増税など決めかねるものは民意に問うといって選挙にゆだねる。それが民主主義だという。まさに「巧言令色」、いや謀略と言うべきである。 

 本当に民主主義的政治を行う積もりなら、「消費増税法制定」、、「集団的自衛権発動の閣議決定」、「脱原発見直し方針」の前に、選挙で民意に問うべきである。今更選挙で消費増税延期の可否を問うなど本末転倒である。
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