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21世紀を照らし過ぎるLED照明
21世紀を照らし過ぎるLED照明

 青色発光ダイオード(LED)の開発に対してノーベル賞が贈られてから、早13年余になる。その受賞に際して、ノーベル委員会は「LEDは21世紀を照らすだろう」とその功績を称えた。確かにこの技術は画期的であり、称賛に値する。LED証明は電力の節約、器具は長寿命というメリットがあり、省エネルギー・省資源に大いに寄与するといわれた。技術評価としては、その指摘はもっともであり間違いない。しかし、そのためにかえって大量に使い過ぎになり、省エネルギーどころか、逆の効果をもたらす可能性があると予想して、その当時私はブログにも書いたし、話しもした。最近の状況はその予想通りになっているように思う。
 最近、名所のライトアップ、年末のクリスマス装飾やルミナリエなど街全体を何十万個という電球で大々的な照明で飾り立てるところが急増している。また、各種イベントもどんどん派手に飾り立てるようになった。オリンピックはその最たるものである。 
 神戸のルミナリエは昔から有名だが、昨年末に大阪の中之島と御堂筋を通ったとき、街路の装飾照明の規模と明るさに驚いた。そして、省エネについて市の行政姿勢に大いに疑問を持った。それをテレビなどのメディアが取り上げて「綺麗だ、素晴らしい」と宣伝するので、それに惹かれ人は集まる。だからこの風潮は益々流行し、全国に広まるだろう。このように大量に飾れるのはLED照明で電力が安いからであろう。まさに「21世紀を照らす」だが、その陰の部分に目を向けるべきである。エネルギー浪費による地球環境の悪化である。

 このような現象は、LED技術に限らない、それは単なる一例に過ぎない。画期的な素晴らしい技術が開発されると、それによって省エネルギー・省資源に多大の寄与をする。だが、その技術が画期的であればあるほど、それの活用は広範囲になり、多量になる。それゆえ、便利さを求めてかえって大量消費を生み出す。
 その典型例が、半導体ダイオードの発明である。真空管に代わって半導体のICチップス技術が進んだために,大容量メモリーのコンピュータの小型化で資源と電力の節約は計り知れないであった。これらの技術開発により,電気機器の小型化が進み,莫大な資源とエネルギーの節約が可能になった。だがコンピュータの小型化により,パソコンが一般家庭にまで大量に進出した。今では携帯電話、スマートフォンなどが氾濫しており、次々に新種が売り出されて、使い捨て時代である。これら大量のIT器機の氾濫によって、資源とエネルギーの消費は巨大になった。

 技術革新によって地球環境を救うと、国連や先進国政府は言うが、技術利用をコントロールしなければ、かえって環境は悪くなることを認識すべきである。規制のない市場原理優先の資本主義制度では技術によって地球環境は救えないだろう。
近年、地球温暖化が急速に進み、年ごとに世界中で異常気象が激しくなっている。エネルギー節減、CO2排出削減を急速に実行しないと、温暖化による異常気象は取り返しのつかないところに近づいている。科学者の国際協力機関「政府間パネル(IPCC)」は毎年その危険性を警告している。また、昨年には世界の1300の人科学者が地球環境の悪化は取り返しできない状況の寸前にまで来ていると警告を発した。温暖化対策の重要性は国際的にも認識され、行政も真摯に取り組を始めている(トランプ大統領のようにパリ協定脱退の声明もあるが)。しかし、一般的には環境異常にそれほど敏感ではないようである。
ここで取り上げたLED証明の使い過ぎも、IT器機の氾濫はその典型例である。

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