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大飯原発の再稼働について思うこと
大飯原発の再稼働について思うこと 

 5月に入り、現在の所原発ゼロ状態が続いている。政府や電力会社はこの事態を避けようと努力したが、停止中の原発を再稼働させることはできなかった。それは、これまでの原子力政策についての根本的検討もせず、当面の事故対の策審査をパスしたという、あまりにも拙速な結論をもって再稼働に傾倒したために、各界や世論の批判・反発を招いたためである。

 原発の稼働には、地元自治体の承認が必要である。この地元とは原発のある福井県ばかりでなく、周辺の滋賀県、京都府、大阪府も含めよといっている。一旦、事故発生の場合は、これら府県も深刻な被害が及ぶからである。それゆえ、原発の安全性の検討と対策が不十分であり、まだ問題が残っているからと、これら自治体は再稼働に反対している。

 ところが驚いたことに、大飯原発のある福井県知事と大飯町の町長・町議会が大飯原発3,4号機の再稼働を承認し、積極的に政府に働きかけている。事故が起こったら最も深刻な被害を受ける福井県と大飯町が再稼働を求め、周辺自治体が反対している。しかも、電力不足で節電の悪影響を受けるのは、当の福井県よりも反対している周辺府県の住民・企業であるのに。 

 このような事情にもかかわらず、福井県・大飯町が再稼働を望むのは、原発所在地への政府・関電からの交付金目当てであることは明らかである。福井県と大飯町の財政の大半はこの原発交付金で支えられている。特に、大飯町は公の交付金ばかりでなく、裏では匿名寄付金(関電からといわれている)があり、首長への贈賄もあったといわれている。それらの資金で、会館・施設など、いわゆる箱物を次々に造った。人口に相応しくない大きく立派な施設の運営は当然ながら赤字経営で、原発交付金がなければ保たない。この自治体、および大半の住民・企業は補助金まみれの体質に慣れてしまったのであろう。

 この原発交付金は麻薬のようなもので、一旦それに侵されると抜けられず次々に増えていくと、以前から指摘されていた。今まさにその現象が現れたわけである。原発地元の再稼働を求める声は、その麻薬に侵された者の苦しみともがきに聞こえる。この状態は、原発を抱える他の自治体でも同様であろう。このような歪んだ社会から抜けて、健全な自治体を取り戻すためにも、これまでの原発政策を根本的に総点検し、洗い直すことが不可欠と思う。
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