科学・技術と自然環境について、教育を考える。
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意識と行動の乖離
意識と行動の乖離 

いよいよ参議院選挙戦が始まる。いつものことながら、選挙前の世論と、選挙結果を見て思うことがある。それは、選挙の重要な争点に関する世論の分布と政党支持率および投票結果のズレである。これは日本人の無原則性を示すものだと思う。

 今度の参議院選挙の争点となる主な課題は、憲法改訂(特に第96条)問題、脱原発の可否、消費増税、PTT参加、および景気回復政策である。

 マスコミ各社の世論調査によれば、有権者の一番関心が強く、かつ望むものは景気回復であり、それを安倍内閣に期待するという。それ以外の課題では、世論はむしろ自民党、安倍内閣の方針と相反する数を示している。 

最近の調査では、憲法96条改訂には批判が多いく、その他の憲法条項については現状維持が多い。脱原発を望む意見は依然として強く、過半数をかなり超えている。原発事故の調査も被害救済も不充分であってまだ収束してないのに、そして使用済み燃料と廃炉について将来の見透しもないのに、安倍内閣と自民党は原発再稼動を押し進めようとしている。消費増税については、増税そのものと実施時期を含めて反対が多い。TPP参加は、初期に較べて反対が減り、賛成が多くなったが、農畜産業、医療関係の人は死活問題といって反対している。

 外交では、歴史認識の問題で意見が対立、また領土問題での対応の拙さで、アジアばかりでなく国際的に孤立している。

 以上のように、日本の抱えている重要課題については、むしろ反自民・反安倍内閣のはずである。しかし、国民は経済の活性化、景気回復を第一に望み、政党支持の世論調査の結果をみると、デフレ脱却・景気回復を掲げる安倍内閣・自民党の支持率が多党を引き離し断然高い。それゆえ、いまの選挙制度では、結果は自民党の勝利は動かし難い。そうなる理由は、受け皿となりうる野党がないということもあろう。しかし、少数野党にも目を向けて、それを育てることが必要である。政権に近づく機会を与えなければ政治的にも成長せず、万年野党に留まるから、一党の長期権力独占がまた再現され、腐敗堕落政治が復活する。外国では、小政党が環境問題や原発問題を掲げて成長し、政権に参加あるいは政治を動かした例がある。日本でも不可能なはずはない。 

このような傾向は、今に始まったことでなく、何度も繰り返されてきた。この事実は、日本人は意識と行動が離反し、原則や論理に基づく大局的判断よりも、目先の現象に動かされて行動する傾向があることを示しているように思う

 景気回復を最大課題とする世論は、近年の選挙では毎度繰り返されてきた。長年の不景気の下で、生活に苦しんできたから、その希望は当然であろう。だが、それ以外の課題は将来の日本の方向を決める重要なものであり、目先の景気回復よりも重要なはずである。デフレ脱却・景気回復を目指すアベノミクスは、危険な賭であり、一つボタンを掛け違うと日本経済と国家財政は破局に至る。その危険性はいろいろな角度から経済の専門家により指摘されている。日本は危ない崖縁を歩いていることを意識して、この選挙に臨むべきであろう。 
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