科学・技術と自然環境について、教育を考える。
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非自然化と環境異変にもっと敏感に
 
非自然化と環境異変にもっと敏感に

地球環境の異変は気候異常などいろいろな現象として明瞭に現れている。「気候変動に関する政府間パネル」(IPCC)の報告は、地球温暖化の原因は自然変動ではなく人間活動にあると結論した。50年、100年先の予測などと悠長なことを言っていられない、10年程で劇的な環境変化が起こるのではないかと私は危惧している。
これらの警告や告発は特別強く注目されたもののみで、人類生存を脅かす問題の中では氷山の一画であろう。 かってR.カーソンが『沈黙の春Silent Spring』(1962)で、農薬などの化学物質による生態系の破壊を警告した。その後、環境汚染に注意するようになったが、次々に別の形で環境汚染は続いている。数年前、T.コルボーンたち3人は『奪われし未来 Our Stolen Future』で内分泌撹乱物質(環境ホルモン)による汚染の危険性を指摘した。それをNHKなどのマスコミが大々的に取り上げて大騒ぎになった。そして最近、M.エンジェルは『ビッグ・ファーマ-製薬会社の真実』で、アメリカの巨大製薬会社が新薬の開発をせずに大儲けをする市場戦略や、新薬審査の制度的歪みのひどさを告発した。製薬会社は安全で良い薬を適正価格で販売する本来の姿に戻れと訴えている。
ここで私の注意を引いたのは、上記の本の著者はすべて女性ということである。皆それぞれの分野の専門家であるが、長年の間、綿密かつ執拗に調査した結果の報告である。日本でも輸入牛肉を監視する「BSE市民ネットワーク」も女性が中心である。この種の問題に執拗に取り組むのは女性が多い。女性は一つの事にコツコツと長時間取り組んで仕上げるという点では男性より優れているだろう。しかしそればかりでなく、女性は生命を生み育てる役を担っており、生活を守るという点でも男性よりも「自然」に足が着いた生き方をしている。だから、生活環境の異変に敏感なのだと思う。ほとんどの男性は毎日ビルの中で長時間労働に追いまくられて、不自然な生活を送っている。

それにつけても痛切に思うことは、私たちの社会生活は自然から遊離し、いかに不自然な生活を強いられているかということである。人間は科学・技術の力により自然を加工して、自然のリズムを崩すばかりでない。地下街、巨大・高層ビル、巨大乗り物などの人工空間はすべて人工的世界といえる。他方では、グローバル化した情報化社会が進み、テレビ・ラジオのみでなく、24時間休まず動き続けている業種がどんどん増えて、人間の生理的リズムを狂わせている。働き過ぎによる過労死はあとを断たない。このように非自然化された人工的世界に住んでいると、環境異変に徐々に鈍感になる。男性の方が、家を出て人工世界に身を置いている時間が女性よりも長いので鈍感になっているのだろうか、それともそのことを考える余裕もないほど仕事に追われているのであろうか。上記のような分野で女性の活躍が目立つのは、それだけこの社会の非自然化、人工化が進んでいることのバロメータでもあるように思える。
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