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国政選挙の一票の格差と小選挙区制における死票について
国政選挙の一票の格差と小選挙区制における死票について

 衆議院と参議院の選挙について、大都会と過疎地の選挙区では一票の価値に大きな開きがる、それは政治における権利平等の原則に反するから憲法違反であると、近年の選挙ごとに選挙無効の訴訟が全国各地でなされてきた。それに対する判決は「違憲状態であるが選挙は有効」であった。昨年は岡山高裁で、格差拡大を放置してきた政府・国会に対して叱責の意を込めて「違憲であり、選挙無効」の 判決がついにでた。それ以外の判決でも「違憲状態」から「違憲」に変わったものが続いてでた。政治家の怠慢と行政に対する司法の気兼ねに不満を抱き、この判決を長らく待っていた多くの国民はやっと溜飲を下げた。

 ところが昨年に最高裁は「違憲状態」と後退した判決を下した。日本の司法は3権分立を自ら放棄する傾向がこれまでにあった。政治的な問題に対する判決では、法文を厳密に適用するのでなく、状況判断によって、政府に迎合するような判決をしばしば下してきた。これでは憲法の番人といわれる最高裁はその役目を果たせない。ここまで政府や政治家の怠慢が続いたら、司法は断固たる態度を示すべきである。

 この一票の重みの不平等、政治参画への権利格差もさることながら、これよりもさらに深刻な問題は、小選挙区制による大量の死票の存在であると思う。これは一票の重みの格差とは異質であるが、ほとんどの投票の価値が失われるのであるからもっと深刻な問題であろう。 小選挙区制では当選者は一人であるから、極端な場合は半数近い投票が死票となりその人たちの意志が無視される。また、小政党が育ちにくいから、少数意見が切り捨てられる。これは発言権を抹殺するということからして、一票の価値の格差よりも遥かに問題は大きいと思う。さらに、先の衆議院選挙で、わずか30%足らずの支持率の自民党が圧勝し、絶対過半数を獲得した。それ以後は、安倍内閣のやりたい放題である。選挙で死票として切り捨てられた人たちが「特定秘密保護法」反対とデモをすれば「テロ」呼ばわりされる。
こんな不合理な結果は民主主義の国では許されるべきでない。

 多数決制の民主主義は、過半数で採決されるから、この小選挙区制と同質の問題を抱えている。この多数決制は、どうしても決着をつけなばならないときの方法であって、採決まで十分討議を重ねたうえでの決着である。他に手段がある場合は、少数意見を取り入れる方法を採用する。これが民主主義の原則のはずである。小選挙区制の採用には党利党略が絡み、しかも中選挙区制や全国区制という他の方法があるのに、それを無視したものである。中選挙区制ならば、当選者数が増えるので、死票の数はぐんと少なくなる。できるだけ多くの有権者の意見を汲み上げるのが民主主義に正道である。そのためには全国区の比例代表制が理想的であるが、それも運用上の困難もあり実現は難しい。そこで中選挙区制が採用されたわけである。しかし、進んだ情報化社会の現代では全国区制も不可能ではない。

 いずれにせよ、小選挙区制は参政権の公平・平等を大きく切り捨てるという点で、憲法違反だろう。この選挙制は日本ばかりでなく外国にも見られるが、その弊害は非常に大きい。真の民主主義を実現するために、早く小選挙区制を改めて中選挙区制に戻す運動を展開すべきである。この問題は裁判に訴える事はできないのだろうか。
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