科学・技術と自然環境について、教育を考える。
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「STAP細胞」その後
「STAP細胞」その後

「STAP細胞」の論文発表に対して疑義が指摘され、また資料の写真にもクレームがついた。理研や共著者間で、論文の撤回も含めて検討と議論がなされていると大きなニュースになった。
 

 雑誌「Nature」に掲載されて、世紀の大発見であるかのように大々的に報道されたときはそれを信用した。ところが、すぐに資料写真が本物ではないとか、論文の文章の一部は他人の論文の文章が引用もなくそのまま用いられているとか、そして実験結果は再現できないというクレームがついたそうである。
 写真の使い回しや、論文の文章表現については、小保方さんや共著者もその非を認めたようだが、実験の再現性も含めて研究内容は間違いないと何人かの共著者は主張しているそうである。理研での再現実験は成功したとのコメントもある。
 
 STAP細胞の論文に偽写真を用いて研究内容が疑われるような論文を発表することは、研究者としての最低のモラルを破ったことになり言い訳はできない。そのような研究者の論文内容は疑われても仕方がない。他人の論文の文章を盗用した部分は、研究結果に直接関わることではないらしいから、著作権の問題なのでここでは取り上げない。

 しかし、このような画期的研究を公表するとき、共著者(共同研究者)は実験処方や結果を当然ながら吟味し確認するはずであるが、共著者のなかに論文の撤回を主張する者がいるというのも解せない。共同研究者の間で、追試も含めて結果の確認がなされていなかったのであろうか。
 論文内容の信憑性は追試実験で再現可能であるか否かが決め手である。科学の知見は客観的であり、再現可能でなければならない。多分この種の実験は微妙で高度のテクニックが必要であろうが、是非とも追試を行って真偽を確認して欲しい

 むかし、ソ連の生物学者ルイセンコ-ミチューリンが小麦を用いた実験て獲得形質が遺伝するとの説を唱えた。その説を巡って大論争があった。この問題は唯物弁証法の正しさを示すものだといって、スターリンが支持したので政治思想的な要素も絡んで、生物学者の間で激しい論争がおこった。結果は、この説は再現性がないと言うことで否定された。

 獲得形質が遺伝するか否かは、ラマルクの遺伝論以来しばしば論じられてきたが、ダーウィンの進化論(突然変異説)が認められてからは、それが主流となってラマルク説は否定されてきた。だが、ラマルク説、あるいはその修正説の支持者も時々現れる。突然変異の積み重ねだけで、これだけ複雑高度な生物に進化することは地球の年齢45億年では不可能だというのがその理由の一つである。獲得形質も最終的にはDNAに反映されねば遺伝として定着しないであろうが、繰り返し刺激により定着しうる可能性はないのだろうか。「STAP細胞」は獲得形質の遺伝性と関係があるように思える。
 

 私は複雑系科学で学んだことから判断して、この分野では素人ながら、ラマルク説に傾きつつある。それゆえ、獲得形質の遺伝可能性と絡んで、「STAP細胞」の真偽について強い興味を持っている。
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