科学・技術と自然環境について、教育を考える。
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 「宇宙の始まり」の謎 - 現代の宇宙観;多宇宙論-
     「宇宙の始まり」の謎] 
- 現代の宇宙観;多宇宙論-

( これは、6月10日に大阪のあるクラブで講演したもののレジュメである。)

1.人類は古代から自然の謎を追究  
 宇宙観、物質観、生命観などについて

宇宙観の変遷
神の創造した宇宙(神の一撃)-神の操縦する定常的宇宙-進化する宇宙
   近代科学は神を必要としない論理をえた。
 
  古典的宇宙進化論: デカルト、カント、ラプラス、・・-星や銀河の誕生、物質・生物進化
 現代の膨張宇宙:ハッブルの法則-すべての星(銀河)は互いに後退(距離に比例した速度)

2.宇宙の生成
  宇宙の始まり:ガモフのビッグバン宇宙論
  極小領域から火の玉が爆発-膨張しつつ進化してきた
  星・銀河の誕生-物質元素の多様化
  宇宙半径:ほぼ132億光年-光速度で132億年かかる距離 
 では、現在の宇宙から時間を遡っていけば1点になる? 
 
 物質の起源:物質と反物質
 高エネルギーにより真空から粒子と反粒子が対発生
  すべての素粒子には、対となる反粒子が存在(真空は粒子-反粒子の海)
  この対発生が物質の起源

 ビッグバン論の証拠
 ・宇宙の背景輻射(3K放射)が充満
・元素の存在比:水素から重い元素の生成
 
3.プランク時間と長さが現代物理学の適応限界
 現代物理学の3つの基礎理論
 c:光速度-相対性理論の基礎定数
 h:プランク作用量子-量子力学(原子・素粒子の理論)の基礎定数
 G:万有引力定数-一般相対性理論(重力理論)の基礎定数

 c,h,Gを組み合わせてできる時間と長さの次元:Tp,Lp
  プランク時間:Tp=10-44 秒、 プランク長:Lp=10-35メートル
こんな小さなプランク領域から宇宙の種(ビッグバン)が始まった。

4.初期の宇宙の状態

 物質の階層:分子-原子-素粒子-クォーク・レプトン-サブクォーク-・・?
 
宇宙誕生のシナリオ
 宇宙の種(量子揺動)-インフレーション膨張(ビッグバン)-真空の相転移-エネルギーが湧出-宇宙膨張
 
 宇宙の初期状態:クォークスース-粒子・反粒子、ゲージ場の混沌状態
反粒子が消え(粒子に一部転化)- 膨張- 現在の宇宙へ
  未知の問題:暗黒物質・エネルギーの出所と正体は不明-可視物質の9倍もある。
 
5.多宇宙論 
 ビッグバンは無数にあり得る、チューブ(ウオームホール)で繋がった宇宙など
 c,h,Gの値がいろいろな宇宙が可能:様相の異なる宇宙
  例.Gの値が大き過ぎると萎んでしまう。cが大きいと膨張速度が大。

 それら定数の値がうまく組み合わさった宇宙が膨張し成長する。
 
6.ビッグバンの先はどうだった?-必ず出る質問 
 プランク領域の先は現代物理学は成立しない:私たちの物理的時間・空間概念・物質概念はない
 
だが「無から有は生じない」だろう。 (無から宇宙が生じたとの説もあるが。)

超宇宙の背景場を想定:量子揺動(宇宙の種)のある背景場を想定したい。

人類は古代から想像を巡らし、あらゆる可能性を追求してきた。
宇宙誕生のシナリオは自然哲学から実証的自然科学へ進んだ。 多宇宙論もやがて自然哲学から科学になるだろう。

人類の存在する限りこの思考は何処までも先に進む: 
この宇宙の存在意味、運命は? この宇宙(自然界)において人類の占める位置は? 


7.自然科学とは?
 人類は自然の一部:人間の記憶や思考なども自然現象の一種である。
 人間の営為は、自然科学も含めて、全て自然運動の一環。すると

強調文”自然科学とは自然自体が人類を通して自らを解明する自己反映(自己認識)活動”。

 自然科学は自己言及型の論理:ゲーデルの不完全性定理により「自然科学は不完全」

ゲーデルの不完全性定理によると、矛盾のない理論体系は不完全であり、説明できない現象や真偽が定まらない決定不能命題が存在する。
 自己言及命題:「私は嘘つきである」-自己矛盾に陥り、嘘つきか否か決定不能。

 矛盾命題や決定不能命題を、説明あるいは解明可能にするために、新仮説を加えて新理論を造ることができる、それが科学の進歩・発展である。だが、その新理論も無矛盾な体系である限り、また新たに説明不可あ問題や決定不能命題が現れる。
 この過程は永久に繰り返されるから、自然科学は原理的に不完全であって人間は自然を完全に知り尽くすことはできない。 人間が人間自身を知り尽くすことはできないように!

この科学観に立つと、新たな視点で自然や科学と人間の関係が見えてくる。
・自然との共生のための科学:自然を対象化して、自然の外から自然を認識する(西洋近代科学の立場)のでなく、自然
 の内部から共感的に自然を認識する(東洋的自然観の)科学へ!
・複雑系科学:宇宙進化、物質の自己組織化・異個発展、生命の誕生の論理の解明はこの科学観で。
・認知科学:人間自体を対称とする科学-自己認識の理論には必要な科学観である。


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[] 2014/12/10(水) 10:25 [EDIT]
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[] 2014/10/22(水) 04:32 [EDIT]

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