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60年目の憲法記念日に思うこと
60年目の憲法記念日に思うこと

 
 5月3日今日は憲法記念日。最近の日本の政治情勢を考えると、この日には何か一言いわざるを得ない心境になる。

 日本国憲法を改訂して新憲法を作り、戦後レジュームから脱却することを、安倍首相は就任早々第一課題に挙げた。NATOへの協力申し入れや、イラクから完全撤退を拒んで派兵期間を延長したことなどを見れば、アメリカの軍事覇権に追随する態度からして、集団的自衛権を認めて海外派兵を目指したいことは明らかである。国内の歪みである「格差」や「福祉の危機」など国民生活に関する問題は二の次にして、教育基本法の改訂、教育三法の制定、防衛庁の防衛省への昇格、憲法改訂の国民投票法の強行可決など、急右旋回で時間を逆戻りさせる方向にひたすら疾走している。自衛隊を名実ともに軍隊にし、日本を軍事国家にしようとの意図であろう。

 憲法9条に象徴される日本の平和憲法は、人類の理想的未来社会のあり方を唱ったもので、日本の誇るべき宝ともいえるであろう。人類は古代には一方的に攻め込んで残虐な戦を繰り返したが、やがて非戦闘員や捕虜を虐待したり殺したりしない取り決めをするようになった。また、毒ガスや細菌兵器といった無差別大量殺戮は禁止する国際協定もできた。国連を創設して国際紛争を調停するようになり、理由もなしに一方的宣戦布告はできないようになってきた。原水爆使用も禁止する国際世論の高まりにより、最初に原水爆を使用することを躊躇わざるをえなくなっている。これらの協定などはまだ不完全ではあるが、このように人類は理性の働きによって一歩一歩ヒューマニズムを獲得し、戦争のない理想的世界を築く努力を重ねてきたし、今も努力を続けている。それゆえ、日本国憲法は人類の進むべき未来の目標を先取りした世界に誇るべき憲法であると思う。その実現は遠いかも知れないが、目標を失ってはならないと思う。 

 戦争は最大の悪である。大量殺人ばかりでなく、直接・間接的に人権を蹂躙するし、最高のエネルギー浪費、最大の環境破壊をもたらす。

 これまで、日本政府は憲法9条を拡大解釈して、本来の平和憲法の精神は骨抜きにしてしまった。いわゆる、「解釈改憲」をして、現憲法は現実に合わないから現実に即したものに変えようというわけである。昔から、日本の国家権力はその時の都合の良いように原則を無視して拡大解釈をするのが得意であった。9条を「現実にあうように」改ためるといっているが、集団的自衛権を認めると、今度はそれを拡大解釈して、「自衛」の名の下に海外での戦闘をするようになるであろう。イラク戦争は、「テロからの自衛」と称して誤った情報を基に一方的にアメリカが開戦したものであるが、もし集団的自演権を認めたならば、アメリカ追従の日本政府は自衛隊をイラクで戦闘に参加させるであろう。イラク開戦は誤りだったことを米英すら認めているが、安倍首相は「開戦当時の情報からしてアメリカに協力したことは仕方がなかった」といって、反省しようとしない厚顔さであるから。

 日本国憲法は、国民主権、平和主義、人権の尊重を3本柱にしているといわれてきた。9条を放棄したら、次は国民主権が侵害され、人権の尊重も危うくなると危惧せざるを得ないほどの安倍内閣のやり方である。「この道は何時かきた道」だ、気がついたら手遅れで引き返せないような事態になる前に阻止しなければならないと思う。 
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