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『ゲージ理論の解析力学』を上梓
新著『ゲージ理論の解析力学』を上梓


この度、物理学の教科書『ゲージ理論の解析力学』を吉岡書店から近日中に出版することになった。専門的な教科書だが、宣伝をかねて自己紹介することにした。

現代物理学において、ゲージ理論の果たす役割と、その理論的意義の重要さは改めて言うまでもないであろう。物質の最も基礎的な4つの相互作用は、すべてゲージ不変であり、それが相互作用の統一理論の基になった。すなわち、ゲージ理論は自然の仕組みの本質を認識する手だてとして、重要な原理の一つであることが認識された。 

 従って、ゲージ理論の解析力学を、学生向けに易しく解説する入門書を書くことは有意義であろう。本書は解析力学の初歩的知識があれば読めるはずである。

 ゲージ理論は拘束条件のある力学系であるから、その系のラグランジュ関数は特異(非正則)である。拘束条件を内包する力学系はゲージ理論以外にも存在する。拘束系には従属変数が含まれるので、古典力学ばかりでなく量子化も複雑である。したがって、量子化以前に、その基礎となる古典解析力学を正しく定式化することが必要である。

 拘束系の力学を体系的に定式化する一般的基礎をディラックが与えた。だが、ディラック理論の延長線上にまだやり残された問題があった。その主なものは、(1)ゲージ変換の生成母関数を第1類拘束条件で構成すること(2)第2類拘束条件の役割(大域的対称性変換の母関数を構成)、(3)位相空間で定式化されたディラック理論を、ラグランジュ形式(速度位相空間)で定式化し、ハミルトン形式(位相空間)との対応をつけること、(4)第1類拘束に関するディラックの予想を解決することなどである

本書では、ディラック理論を基礎に、拘束系の力学の一般論とこれら諸問題の意味と解法について、筆者らが開発した方法に基づいて詳しく紹介した。

かって筆者らは『微分形式による解析力学』(木村利栄、菅野礼司著)を上梓した。そこでは微分形式の力学への応用を紹介すると同時に、最後三分の一ほどを、拘束系の力学とゲージ理論の解析力学に費やした。しかしながら、微分形式は一般にはまだ馴染みがない上に、説明をかなり省略したので読みにくかったようである。そこで、通常の解析力学の処方で、拘束系とゲージ理論を詳しく解説した本書を改めて出版することにしたわけである。
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