科学・技術と自然環境について、教育を考える。
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高度の輸出入依存構造から脱出して自立の経済体質を
高度の輸出入依存構造から脱出して自立の経済体質を

 サブプライム破綻に始まるアメリカ発の金融危機は、世界を未曾有の経済恐慌に陥れ、混乱に巻き込んだ。
 最初、日本は金融危機の直接被害をあまり受けないので大丈夫だと経済関係者は言っていた。ところが予想に反して、世界を巻き込んだ経済危機が進行するや、輸出貿易に強く依存する日本はたちまちその渦中に巻き込まれた。押し寄せた津波に周章てた企業はいち早くリストラで、首切り・派遣切り、採用内定取り消しを強行した。金融危機の被害は少ないどころか、逆に日本の被害は先進国ではむしろ最大だと言われ、国内の混乱はひどい。この世界恐慌で、日本の経済構造はいかに脆弱な体質であるかを思い知らされた。
石油危機のときは、日本は持ち前の技術力を活かしていち早く危機を脱した。問題解決の能力はあっても、頭をぶっつけなければ動こうとしないのが日本の体質のようだ。


 高度に輸出産業に依存する経済構造を改めて内需を拡大し、自立的経済体質に改変しなければならないと警告してきた経済学者や評論家がいた。しかし、政府と財界は政治・経済の構造をその方向に一向に改めようとせず、むしろ小泉構造改革に乗って逆の方向に進んできたように思える。

 工業製品の輸出に依存する日本経済は、食料の国内自給率を極度に減少させた。輸出入の不均衡による貿易摩擦を減らすために、工業製品の輸出の見返りとして、食料や雑貨を多量に輸入せねばならないからである。そのために、米、麦、大豆などの穀物を外国に頼るようになり、その上要らない不良品米まで輸入しなければならないところまできた。農水省は国内では減反政策を農家に押しつけて、多くの農地を荒廃させた。その結果、穀物から野菜・魚まで大半を輸入し、食料自給率は40%代にまで落ちた。この自給率も先進国では一番低いそうである。 

これからは新興国の経済力が伸びて、食料の絶対量が不足する時期が来るだろう。そうなってから周章てても間に合わない。食料自給率を高めないと、日本は食料難に陥る危険性がある。

 エネルギーをはじめ、各種資源の少ない日本は、加工産業によって輸出に依存せざるをえないだろうが、それにも程度がある。内需を増やすように、安定した労働組織と賃金体系を作るべきである。極度の工業製品の輸出依存構造と食料の低自給率は密接に関係している。今度の経済危機で、日本の経済構造の弱点が顕わになった。この教訓を生かして、何処をどのように改革すべきか真剣に検討し取り組む好機でもある。そうすれば禍転じて福となすことができる。

 極度に増大した派遣労働者をなくし、貧富の極端な格差を是正して、内需を拡大した自立度の高い経済構造を築くべきである。そのためには、株主優遇策をやめて適正な賃金配分を行い、労働者を人間として待遇すべきである。

 今の日本は、平和憲法の9条は実質的に空洞化され、25条の保証する生存権が脅かされている人たちが溢れている。民主主義の根幹である三権分立も形骸化されている。現状の体質を改めねば、また何時か思わぬところで別の危機を招くかも知れない。

 しかし、日本政府と財界はこの歪んだ不安定構造を根本的に改革しようとせず、目先のことの対応に追われていることは、経済の素人の目にもわかる。

現在、政府は経済対策が最優先といって、大型の補正予算を組み、国家の赤字を大幅に拡大する道を選んだ。それによって国民総生産に対する財政赤字の比率は膨れあがり、国家は800兆円の累積赤字を抱えることになる。これまた先進国では最大の借金国となるという。その付けは数年後の大増税、高率消費税として国民にのしかかってくるだろう。それでも足りず、大量の借金は子孫に残されるだろう。日本国家の破産も起こりうるとの警告もでている。
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