科学・技術と自然環境について、教育を考える。
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サイエンス・カフェ
サイエンス・カフェ

 最近「サイエンス・カフェ」があちこちで立ち上がっている。コーヒーやお茶を飲みながら、科学談義を通して科学者と市民との交流が盛んになることは喜ばしいことである。以前から、市民講座やカルチャーセンターなどが続いているが、文学、歴史、芸術、趣味などが主流で、科学は、健康や食物に関するものを除いてはほとんどない。そのせいか、サイエンス・カフェが次々に開設されていくのは、一般市民のなかに科学に対する興味と知的要求が増大していることな反映であろう。

 科学は自然科学ばかりでなく、一般的には社会・人文科学も含む。科学は技術と別で、精神文化の一つである。
昔の一般教養は「読み・書き・算盤」だったが、現代のような科学・技術時代には「基礎的科学」がそれに加えられるべきだろう。

 昨年、日本科学者会議と黒崎東商店会(大阪北天満)との共催のサイエンス・カフェが開設された。商店街の通路に椅子と机を並べたでだけで、講演や実験をしていたが、結構賑わい質疑応答も盛んであった。しかし、常設の場所で何時でもコーヒーを飲みながら交流できるようにしたいとの要望が当然ながらあった。そこで、商店街の尽力により小さいながら一室を使えるようになり、先日改めて「サイエンス・カフェ」の開所式があった。


 その開所式に科学者会議大阪支部を代表して挨拶をした。その時の挨拶要旨:

 科学者会議とはいかなる団体かを簡単に紹介。自然、人文、社会科学のあらゆる分野の科学者・技術者の集団で、それら会員が協同して総合的に科学研究を行い、その成果を社会に役立てることを目的にしている。以前は公害問題で大いに活動した。また、科学研究の成果を市民に還元するとともに、市民と一緒に科学・技術を育てることも目的の一つである。サイエンスカフェはこの目的にぴったりの活動スタイルである。

 昔から、大阪の町民文化は独特の味があり、その文化は商業にも活かされれた。学問所としては有名な「適塾」があるが、これは半官半民で全国から秀才が集まったものであった。だが、適塾の以前に町民が自ら開設した「懐徳堂」と「先事館」というものがあった。そこに学者を呼び、町民たちが熱心に学んだ。その学生の中に山片蟠桃という人がいた。この人はアイデアマンであり、ユーモアもある才人だった。商業でも大成功し、升屋という両替商の番頭だった人です。 彼は「懐徳堂」と「先事館」で学び、その知識を『夢の代』という本のまとめた(これ以外にも著書はある)。講義中に夢を見ながら居眠りをしたので、罪滅ぼしに夢の代償としてこの本を書いたといって、このような書名としう。彼は番頭だったのでペンネームを「蟠桃」とした。このようユーモアたっぷりの人でしたが、『夢の代』は科学、経済、宗教などについて彼の考えをまとめた優れた本である。「夢」にはロマンの意味も含まれていると思う。科学は役に立つ知識というだけではなく、そこには夢とロマンがある。
 最近の経済危機の続く時代では、毎日の生活は苦しく、あくせく仕事に追われているが、その中にも精神的ゆとりが求められている。この「サイエンス・カフェ」がその場となるであろう。町に文化を根付かせ、その文化と結びついた商業こそ望ましい姿である。この「黒崎東商店会サイエンス・カフェ」が第二の「懐徳堂」と「先事館」となり、この中から第二の山片蟠桃がでることを期待している。そして商店街に活気と繁栄がよみがえることを。


 町に文化を根付かせるには、サイエンス・カフェ以外にもいろいろな方法があるだろう。落語の天満天神繁昌亭は商店街の尽力で町文化を根付かせた好例であろう。
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