科学・技術と自然環境について、教育を考える。
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「紙」の運命
 「紙」の運命 

「電子メール」、「電子書籍」でなく, 「電紙メール」、「電紙書籍」としよう                    

 現代の人類文明は紙なくしてはありえない。二千年以上前に文字を書くために紙が発明された。木簡や粘土板に代わり、紙は人類の貴重な歴史記録を残してくれた。その後印刷術の発明と改良により文字による文化は急速に進歩したが、紙の製造が追いつかず紙は非常に不足していた。「必要は発明の母」である。十九世紀に木材を原料とする紙が多量に製造されるようになったが、それまでは紙は貴重品であった。

ところが現代では、紙は印刷以外にも多方面に使用されて私たちの生活の隅々まで浸透している。社会活動のみならず日常生活でも紙のない生活は考えられないであろう。だが、安価な紙が手軽に手に入る今日では複写紙やティッシュペーパなど湯水のように無駄遣いし使い捨てている。戦後の物資不足時代に育った者から見ると、紙に限らず無駄遣いは目に余るものがある。物が溢れていると、空気や水のようにその有り難みが分からない。 
今や紙のゴミは莫大な量となり、その処理には大変なエネルギーと労力を要する。木材資源保護と環境保全のため古紙が再利用されるようになったが、再生回数にも限界がある。

紙製品の代替物もかなりいろいろな物が出回ってきた。紙袋はビニール袋に、手紙は電子メールに、などなど。今後、紙の代替が急速に拡がり大きな問題となるのは新聞と書籍である。20世紀には書籍の発行部数は指数関数的に増えて、図書館ばかりでなく個人の書斎にも溢れて置き場に困るようになり、邪魔者扱いされるようになった。そこで登場したのがインターネットである。

インターネット画面が印刷紙の代わりをすることは環境保全のためには望ましいし、情報化時代の必然的変化であろうが、紙本来の役目が消えていくのは残念で寂しい。
そこで、呼び名について提案したい。「電子メール」や「電子書籍」と呼ぶのは科学的にもおかしい呼び名であるから止めたい。直接電子を見たり、使ったりしているわけではないのに「電子・・」というのが多すぎる。たとえば「電子レンジ」は電磁波レンジである。

これまでの文字と紙の関係の歴史を残し、昔の「紙手紙」の温もりや、「紙製本」を手にして読んだ名残をとどめるために「電紙メール」とか「電紙書籍」と呼びたい。
 ちなみに「電子投票」は「電紙投票」とすべきだろう。



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